アオギリは人面樹の宝庫
2017年08月25日 10:55
アオギリという名前を知ったのは、珍樹ハントを本格的に始めてから。
珍樹がよく見つかる樹木の名を調べたら、それがアオギリだった。
青(緑)色の樹皮、キリのような大きな葉が名の由来。
アオギリは圧倒的に珍樹の発見率が高く、
人間の顔のような模様や形がよく見つかる、人面樹の宝庫である。
ならばと、今から7年くらい前に、山梨県にあるアオギリの群生地へ出かけたことがある。
数多く観察すれば、それだけたくさんの人面樹が見つかると思ったからだ。
しかし山の中で自生する天然のアオギリは、葉や幹が生き生きとして美しかったが、
人面樹の発見率は都会に比べるとあまりにも低く、なによりその顔の表情や完成度がいまひとつだった。
帰り道、ひとつの仮説を立ててみる。
モデルさんなどよく人に見られる職業の人はきれいになるといわれるが、
田舎に比べて圧倒的に人が多い都会では珍樹もその傾向にあるのではないかと。
2年前から自宅でアオギリを育て始めた。
きれいだね、と声をかけながら育てると、植物はより美しい花を咲かせるという話を聞いたことがある。
珍樹もそうだろうか。
現れた顔を、毎日じっくり見てあげる。
果たして、本当に顔の表情や完成度は高くなり、イケメンになるだろうか。
種から育て始めたアオギリは、すでに私の背丈を追い越し、隣の家の敷地にはみ出てしまった。
成長の早さは、まさにキリのよう。
おかげで今年の夏は大きな葉が、パラソルのように強烈な日差しを遮ってくれた。
そして幹に顔ができ始める。
アオギリは同じ場所から枝がでることが多い。
つまり、枝の落ちた痕が接近して集まり、顔のような配置になりやすいのではないか。
近所迷惑にならない程度に、引き続きアオギリ観察を続ける。

【写真上】植木鉢で種から育て始める
【写真左下】2年目にして背丈は3m近くに達する
【写真右下】細い幹にすでに顔が出現。眉毛もあり、完成度高し